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高見澤 悠; 端 邦樹; 西山 裕孝; 外山 健*; 永井 康介*
Journal of Nuclear Materials, 556, p.153203_1 - 153203_10, 2021/12
被引用回数:3 パーセンタイル:44.61(Materials Science, Multidisciplinary)原子炉圧力容器鋼における中性子照射脆化に及ぼすシリコンの影響を明らかにするため、三次元アトムプローブにより、高照射量領域まで中性子照射された監視試験片中の溶質原子クラスタを分析した。高Cu含有材では、Ni, Mn, Siがクラスタ中心のCu原子を囲むように凝集し、コアシェル構造を形成するのに対して、低Cu含有材ではNi, Mn, Siがクラスタ中を均一に分布していた。クラスタ内のCu原子の数はCu含有量の減少と共に減少したが、それを補うようにSi原子数が増加した。材料中の公称のSi含有量の増加とともに、クラスタのギニエ半径は減少し、数密度が増加した。結果として、クラスタの体積率は一定であった。延性脆性遷移温度移行量とクラスタの体積率とギニエ半径の積の平方根が良い相関関係を示すことから、脆化の主要因は、溶質原子クラスタを転位が切断するメカニズムによる硬化であることが示された。また、Si含有量の増加により、クラスタの体積率は一定のままギニエ半径が減少することで脆化の程度を減少させることが示された。
影山 十三男; 菅谷 伸一; 河野 秀作; 樋口 英俊; not registered; 木幡 正人*; 野田 吉範*
JNC TN8400 2001-026, 29 Pages, 2001/12
Np含有MOX燃料中のNp含有量を測定するために、吸光光度法による測定条件について検討した。試料溶液中のNpの原子価をIV価に調整した後、727nmの吸収ピークの吸光度を測定することにより、Np濃度を求めた。本法の検量線は、Np濃度0.8mg/mlまで直線性を示した。また、Np溶液にPu,U量を各々Npの30倍量、60倍量まで添加したが、この範囲ではNp分析値への影響はなかった。本分析法により、2%Np含有MOX燃料を想定した試料中のNp含有量を分析したときの相対標準偏差(RSD)は約4%であった。さらに、物性測定試験に用いるNp含有MOX燃料の原料粉中のNp含有量を測定した。その結果、本法はNpをPuとUから分離することなくNp含有量を測定できることを確認した。本分析法は、物性測定試験用のNp含有MOX燃料中のNp含有量を分析するための迅速簡便法として十分適用できる。
not registered
PNC TJ1615 97-001, 5 Pages, 1997/03
東濃地科学センター(旧中部事業所)において、鉱山の開発行為が周辺環境に及ぼす影響の有無を把握するための鉱山周辺の環境調査を、調査坑道の開坑前の昭和46年度以来、継続して実施している。調査においては、東濃地化学センターが測定したデータと比較するため、調査坑々内外のラドン及びその娘核種の濃度の測定を行うとともに、調査坑周辺の大気中の粉塵、河川水、飲料水、土壌、生物等の試料を採取しウラン、ラジウム等の含有量の分析測定を行った。
not registered
PNC TJ1615 95-002, 5 Pages, 1995/03
表-1河川水のラジウム含有率表-2飲料水のラジウム含有率表-3土壌のラジウム含有率表-4空気中のウラン濃度表-5河川水のウラン含有率表-6飲料水のウラン含有率表-7土壌のウラン含有率表-8樹葉のウラン含有率表-9河川水のフッ素含有率表-10飲料水のフッ素含有率表-1116ラドン・ラドン娘核種濃度及びラドン湧出量
柳生 純一; 新井 貴; 荻原 徳男; 西堂 雅博; 小池 常之
JAERI-M 93-249, 43 Pages, 1994/01
JT-60Uでは、真空容器内第一壁に黒鉛材料を使用しているが、プラズマ中の酸素不純物の低減及び低Z化のため、ボロナイゼーションを実施している。今回、ボロン化膜の特性を知るため、JT-60Uの180度対称な2箇所の上側垂直ポートにボロン化膜厚測定装置を取り付け、真空容器内にサンプルホルダーを吊り下げたのちに、ボロナイゼーションを実施し、試料に作製したボロン化膜の厚み、密度、元素組成、水素含有量をAES、断面SEM、NRAにて測定した。現在までにJT-60Uでは、ボロナイゼーションを4回、ボロン化膜の測定を3回実施している。測定結果からデカボランガスの供給口を真空容器内で分散して、ボロン化膜の均一度を高める改造を行っている。本報告書は、ボロン化膜厚測定装置の開発及びボロン化膜の評価についてまとめたものである。
黒澤 龍平*
PNC TJ1615 93-002, 13 Pages, 1993/03
中部事業所において、鉱山の開発行為が周辺環境に及ぼす影響の有無を把握するための鉱山周辺の環境調査を、調査坑道の開坑前の昭和46年度以来、継続して実施している。調査においては、中部事業所が測定したデータと比較するため、調査坑々内外のラドン及びその娘核種の濃度の測定を行うとともに、調査坑周辺の大気中の粉塵、河川水、飲料水、土壌、生物等の試料を採取しウラン、ラジウム等の含有量の分析測定を行った。
池辺 幸正*; 藤高 和信*; 下 道国*; 飯田 孝夫*; 永峯 康一郎*; 木下 睦*
PNC TJ1545 93-005, 36 Pages, 1993/03
大気中の放射性物質の挙動を把握するためには、局地的に発生した成分と同時に、広域で発生した成分を評価する必要がある。この調査研究では、ラドンとトリチウムの広域挙動解明を目的として、次の調査研究を実施した。まず、中部地区のラドンの発生源分布を求め、日本の求め方を提言した。中国の発生源分布は、SUP226/Ra含有量分布から計算によって求めた。この方法の問題点を検討するため、本調査研究では北京と福州において散逸率と土壌の含水率の測定を実施した。検討に基づいて、プルームモデルを用いた計算とラドンの積分濃度から散逸率を推定する別の方法を提言した。次に、ラドンの大気中動態の数値シミュレーション開発の現状について調査を行い、計算値が実測値と一致することを示した。最後に、日本と中国の環境水中のトリチウムの分布と変動について文献調査を行った。また、現在実施中の東アジア地域の環境水中トリチウムの組織的調査を紹介した。
鬼沢 邦雄; 渡辺 輝夫; 海老根 典也; 中島 伸也
JAERI-M 90-202, 33 Pages, 1990/11
軽水炉プラントの工学的寿命を決定する重要な機器の一つとして、圧力容器が挙げられる。圧力容器の寿命は、破裂力学に基づき、き裂の発生・成長挙動と、照射脆化による材質劣化挙動により評価される。本報告書は、経年変化現象の把握及び寿命評価手法の確立を目的とし、高温高圧の軽水炉冷却材がき裂成長挙動に及ぼす水の流動状況、溶存酸素濃度及び温度の環境因子、ならびに鋼材中硫黄含有量の複合的影響についてまとめたものである。低流速、高溶存酸素濃度において大きなき裂成長速度となることが確認され、また250C以下の低温ではき裂の枝分かれ現象が観測された。これらの環境因子を考慮した定量的なモデル化の必要性が示唆された。
鈴木 建次; 片野 吉男; 有賀 武夫; 浜田 省三; 白石 健介
Journal of Nuclear Materials, 133-134, p.585 - 589, 1985/00
被引用回数:2 パーセンタイル:37.48(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉の第一壁材料では損傷組織に及ぼすヘリウムの影響が大きな問題になっているので、炭素量を0.15wt%まで含有する改良ステンレス鋼(PCA)におけるヘリウム気泡の析出挙動と炭素量との関係について検討した。1273および1373Kで30分間保持後急冷した試料に1.0MeVのヘリウムイオンを350および1023Kで約0.1dp(約210ppm)のピーク値になるまで照射した。照射後、試料の損傷領域における組織を電子顕微鏡で観察した。1023Kでヘリウムイオン照射した炭素含有量の異なる改良ステンレス鋼における組織観察によれば、炭素含有量の増加に伴ってヘリウム気泡の直径は11nmから4nmと減少するのに反して数密度は210/mから410/mと増加する。これらの結果は炭素含有量が増加することによりヘリウム気泡の核生成が促進される結果、ヘリウム気泡の成長を抑制することを示している。
新藤 雅美; 近藤 達男
JAERI-M 83-118, 18 Pages, 1983/07
すでに既報で、Ni-21%Cr-15%W合金において1.3%までのMnの添加はハステロイXの場合同様に耐酸化性改良に有効であることが確認されているが、本報はMnの効果をより詳細に調べる目的で0から3.3%まで添加して耐食性におよぼすMnの影響を調べたものである。本実験に用いた材料は高温のクリープ特性が優れている新しく開発されたNi-Cr-W系超耐熱合金の一つであり、高温ガス炉の次の世代の構造用材料として注目されている。腐食試験は高温ガス冷却材近似のヘリウム中で900Cと1000Cで3000hrまで行った。得られた結果は、(1)1%程度のMn添加材が耐酸化性、酸化膜の密着性ともに最も優れている、(2)900Cの場合、浸炭挙動におよぼすMn含有量の影響は認められない、(3)1000Cでは、Mn含有量の多いほど浸炭し易い傾向を示す、(4)酸化、浸炭挙動の両方の観点から判断してMnの添加量は1%程度が最も妥当である、などである。
渡辺 勝利; 近藤 達男; 小川 豊
JAERI-M 83-117, 14 Pages, 1983/07
B含有量の異なる2種のハステロイXの高温照射脆化に及ぼす照射温度、試験温度、熱中性子照射量および核変換反応にもとづくHe生成の影響について検討を加えた。この場合、He生成に関しては、B(n,)Li反応に加えて、比較的近年になって発見されたNi(n,)Ni(n,)Fe2段反応にも着目して脆化との関係を考察した。また、Ni基合金の外にFe基合金も加えた両合金群のHe脆化に対する感受性についても比較検討を行った。これらの結果から、延性の低下は照射温度、試験温度および熱中性子照射量の増加により促進されることが明らかとなった。また、破断伸びに対する熱中性子照射量依存性の外挿結果から900Cおよび1000Cにおけるしきい照射量および高照射量域における延性値を推定した。一方、材料中のNi含有量と照射脆化との関連性から高温ガス炉の制御棒用部材にはFe基合金の方がNi基合金よりも優れていることが判った。
渡辺 博正; 伊藤 政幸; 町 末男; 岡本 次郎
JAERI-M 9917, 51 Pages, 1982/02
連続重合反応装置を用いて、種々の気相モノマー組成下におけるシード法によるテトラフルオルエチレンとプロピレンの放射線乳化共重合反応を行った。ラテックスのポリマー濃度は、気相モノマーのプロピレン分率が0.25の時は反応時間とともに直線的に、プロピレン分率が0.1以下の時は加速的に増大した。プロピレン分率が0.01、0.05、0.1および0.25のときの重合速度はそれぞれ36、60、57および46g/h/h・l-HOであった。プロピレン分率が0.01のときに得られたポリマーでテトラヒドロフランに不溶のもののフッ素含有量は61.3%で、テトラフルオルエチレンとプロピレンのモノマーユニットの比は1.8対1であった。高テトラフルオルエチレン領域での重合では、重合速度が低下し、テトラフルオルエチレン過剰のポリマーが得られるが、これは、テトラフルオルエチレンポリマーラジカルにプロピレンが付加する反応が律則になっていることによる。
小川 豊; 近藤 達男; 石本 清; 大塚 保
JAERI-M 8154, 12 Pages, 1979/02
ホウ素含有量が2.3ppmの市販のハステロイ-Xについて、JMTRで高温照射(温度; 670880C、熱中性子照射量; 6.610/cm、速中性子照射量; 1.110/cm)した後、900Cにおいて最長12,000hrまでの大気中クリープ試験を行った。応力が約2.2kg/mm(破断寿命で約100hr)を境として、クリープ挙動が異なることが明らかになった。これより高応力側では、照射によって延性と破断寿命は約1桁低下した。これより低応力の場合には、応力が低くなるほど照射材の延性と破断寿命は非照射材の値に近づく傾向が認められた。金相試験の結果、低応力のものでは試料片の平行部全面にわたって多数の粒界クラックの発生していることが判明した。この全面クラックによってクリープ試験中にみかけ上の延性が保たれていると結論された。ホウ素量を1ppmに下げたハステロイ-XRについて予備的な試験を行ない、ホウ素量の低下が照射後の延性低下を防ぐのに有効であることが実証された。
矢島 聖使; 市坡 純雄; 半田 宗男
日本原子力学会誌, 3(12), p.942 - 948, 1961/00
原子炉の中性子減速材として使用される黒鉛は、微量ではあるが種々のガスを吸着内蔵している。これらのガスは原子炉の運転中の高温状態においては、徐々に放出され、炉材料特に燃料被覆体と作用し、またメタン、一酸化炭素等は下記の反応により熱交換器で炭素原子を析出する等、原子炉の運転に種々の悪影響を及ぼすことがわかっている。CHC十2H 2COC十CO